前回の記事では、新聞折込の依頼方法について解説しました。
新聞社の言うことを鵜呑みにしてしまうとチラシは廃棄される可能性があります。
無駄な金を払いかねないのです。
前の記事では金を守る方法について解説しました。
前の記事 【塗装チラシ集客3】新聞折込の部数は信じてはいけない 押し紙問題はある を読む
この記事では、チラシに出す理由、チラシの立ち位置について一緒に考えていきましょう。
「チラシを作ってみようかな」と思いながら、「いや。でも作ったことないしな。他社のチラシを真似してみようか」とか「チラシなんて自分で作れない。広告代理店にお願いしよう」と思うかもしれません。
また、チラシに対して良いイメージを持っていないかもしれません。
どこかでブレーキを踏んでしまうことがあります。
・押し売りみたいで嫌だ
・安売り競争になるのが怖い
・どうせ反応なんて出ないだろう
特に現場で働いている職人ほどこう感じるはずです。
自分は営業マンじゃない。
現場で腕を振るう人間だ。
と。
そうなんですよね。
私もずっと職人をしているので「モノを売る経験」がありません。セールストークもできないし、営業マンのように口から出まかせのようにポンポン言葉も出てきません。
だから、モノを売るためにチラシを作るということにブレーキがかかってしまいます。
ですが、無口で真面目で黙々と作業をする職人だからこそチラシは絶大な効果を持ちます。
まず最初にお伝えしたいのは――
チラシは「売るための道具」ではないということです。
チラシ本来の役割は、
「覚えてもらうこと」です。
職人は上手に売ろうと思ってはいけません。
自分はどのような想いで仕事をしているのか?
自分とはどんな人なのか?
これを伝えることができればチラシは効果を発揮します。
なぜ「売るチラシ」はうまくいかないのか
初心者がやりがちなのが、こんな内容です。
・地域最安値
・今だけ割引
・他社より◯万円安い
・キャンペーン実施中
一見、間違っていないように見えます。
実際、このような「安売りチラシ」は私も作ります。やはり反応はあるからです。
でも、これを受け取った人の頭の中で起きていることはこうです。
「で、いくらなの?」
「他と比べてどうなの?」
つまり、このようなチラシにすると一瞬で“価格の比較対象”になります。
技術や人柄を見てもらえるのではなく、ただ「安いのか高いのか」「他社と比べてどうか」という価格が判断基準になってしまいます。
これだと技術も人柄も現場への姿勢も、すべて消えて、数字だけが残ることになります。
これでは、下請けと構造は変わりません。
チラシを配っても他社と相見積になり、価格競争に巻き込まれてしまうだけです。
塗装は「今すぐ欲しい商品」ではない
ここが大事な考え方です。
外壁塗装は、10年〜15年に一度。
今日チラシを見た人が、今日塗り替えるとは限りません。
むしろほとんどの人は、
「まだ大丈夫かな」
「そのうち考えよう」
そう思って終わります。
塗装のチラシは、スーパーのお買い得チラシとは違うのです。
だからこそ、
今日電話が鳴らなくてもいい。
明日も明後日も1ヶ月後も電話は鳴らなくていい。
と、ドシっと構えていることが大事です。
目指すのは「即反応」ではなく、
「記憶に残ること」です。
覚えてもらうチラシという視点が非常に大事になります。
覚えてもらうチラシとは何か
では、「覚えてもらうチラシ」はどう書けばいいのか。
答えはシンプルです。
大事な3つのことをお伝えします。
① なぜこの仕事をしているのかを書く
技術の話よりも、動機です。
・見習いの時から親方に叩き込まれたこと
・手抜き現場を見て悔しかった経験
・お客様の笑顔を見た時嬉しかった経験
・自分の家族の家を塗るつもりで仕事していること
・塗装の仕事に命をかけていること
・家族を守るために必死で働いていること
などなど
人は「想い」に反応します。
家の人は安く塗り替えをしたいと思っていますが、それよりも手抜き工事がなく長持ちする塗装をして欲しいと思っています。信頼できる職人を探しているのです。
ですので、チラシにはあなたの熱意を書き込んでください。
② どんな仕事はしないのかを書く
信頼できる職人は断る姿勢を見せることも大事です。
「はいはい!なんでもします!」という職人より「いや。これは私にはできません」というように金で動く人間ではなく、信念で生きる職人像を見せることでお客様に惚れてもらえます。
・無理な値引きはしません
・急がせる営業はしません
・見えない所を誤魔化しません
・急いで仕事を終わらせません
などなど
「やらないこと」を伝えることで信頼になります。
職人としてここは譲れないという想いをチラシに書いていきましょう。
③ 顔写真や作業中の写真を出す
顔を出すのは勇気がいります。
でも、顔があるだけで「業者」から「人」に変わります。
人は会社に頼むのではなく、最終的には人に任せるのです。
あなたも床屋や美容室に行く時、そのお店が好きだから行くというより、その理容師、または美容師が好きだから行くのではないでしょうか。
その人の技術や人間性が好きでそのお店を選ぶと思います。先に人があると思うのです。
塗装も同じで、お客様は良い人から自分の家を塗って欲しいと思っています。
チラシは自分自身の人間性を伝える「手紙」だと思って書いてください。
チラシは「種まき」だと思ってください
配ったその日に反応がなくても落ち込まないでください。
半年後、1年後に
「冷蔵庫に貼ってました」と電話が来ることがあります。
これは偶然ではありません。
人は何かあったとき、ネット検索よりも先に、「記憶の中の知っている人」を探します。
そのとき思い出してもらえたら、勝ちです。
「単純接触効果(ザイオンス効果)」という心理を知っているでしょうか?
1回目会ったときはその人を信じないけど、2回目、3回目、4回目と会う頻度が増えるたびに信頼していくという心理です。
これはチラシも同じ心理が働きます。
初めて見るチラシには信用しないけど、度々入ってくるチラシには「おお。これはこの前見たな。この会社儲かっているのかな。良さそうな会社だな」と思ってもらえます。
また、冷蔵庫に貼ってもらえれば日々目にするので信頼度が勝手に高まっていきます。
チラシは配ったらすぐに収穫できるものではありません。
チラシを配ったら、半年、1年と待っていてください。
そして1回配って終わりにはしないでください。
何度も配ることで広範囲に種を蒔くことができ、後で収穫することができます。
チラシは勧誘ではなく、名乗り
チラシで売り込みをする必要はありません。
ただ純粋にあなたという職人の姿を伝えてください。。
「私はこの町で、こういう想いで塗装をしている職人です」
それだけでいいのです。
すぐに反応がなくてもいい。
無理に売り込もうと思わなくてもいい。
安さを売りにしようと思わなくてもいいのです。
とにかくあなたという名前が記憶に残るようにしてください。
「ああ。この街には塗装屋さんであんな職人さんがいるんだな」
と記憶に残るようなチラシを作ったら、もうそれは勝ちです。
これを1年、2年と続けたとき、あなたは「価格で比べられる人」ではなく、「あの職人さん」になります。
最後に
下請けは、どれだけ良い仕事をしても名前が残りません。
でも、自分の名前でチラシを出せば、少しずつでも信頼は自分に積み上がります。
売るチラシは、すぐ消えます。
覚えてもらうチラシは、積もっていきます。
積み上げ式の商売をしていきましょう。
そうすればだんだん商売は楽になっていきます。
焦らなくていい。
派手でなくていい。
まずは一枚、「売る」ではなく「名乗る」チラシを作ってみてください。
それは営業の第一歩ではなく、自分の名前で生きる第一歩です。

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