
このページでは塗装屋で独立したい。でも仕事がないのは怖い。と思う人へ解決策を提示していきます。
独立前にこれをすれば仕事がないという問題は解決できるでしょう。
塗装で独立したい。
でも、そのたびに同じ言葉が頭をよぎります。
「仕事がなくなったらどうしよう」
技術には、ある程度の自信がある。現場なら任されてきた。それでも、自分の名前で仕事を取るとなった瞬間、足元がぐらつく。
会社や親方から仕事が来るうちは、まだ安心できる。独立したら、その供給が止まる。空き日程が続く。請求書を出せる現場がない。そんな想像が、動き出す前に止まらせます。
もし今、その恐怖で足が重いなら、この記事を読んでみてください。
いきなり仕事を辞めて独立する必要はありません。
下請けや今の収入を残しながら、小さく元請けの仕事を始める方法もあります。最初から毎月何件も取る必要もない。まず「一件取れる状態」を作ること。そこに、不安との付き合い方があります。
この記事でわかること
- 「仕事がなくなる」不安が、いちばん強くなるタイミング
- いきなり全部辞めて独立しない方がいい理由
- 収入源を複数持つ、という現実的な守り方
- 私が塗装を一人で始めたときの生活防衛
- 仕事がない状態を防ぐために、独立前からやってよかったこと
- 「仕事がある一人親方」とそうでない人の分かれ道
- 今日からできる小さな一歩
不安は消えない。いちばん強いのは、独立前です
先に、あまり綺麗ではないことを書きます。
自分で商売をする以上、仕事がなくなる不安は消えないと思います。独立前も不安です。独立してからも不安です。仕事があるときですら、次が途切れる想像は頭をよぎります。これは、ある意味で死ぬまで付き合うものだと、私は思っています。
不安をゼロにしてから動こうとすると、いつまでも動けません。不安があるのが普通です。
そのうえで言うと、いちばん不安が強かったのは独立前でした。
何も始まっていない。経験もない。人脈もない。「本当に取れるのか」を証明する材料が、自分のなかにない。始まってしまえば、うまくいったことも失敗したことも積み上がります。始まっていない段階は、材料がないぶん、想像だけが膨らみやすいのです。
だから、独立前の恐怖は弱い人の証拠ではありません。まだ地図がない場所に立っているだけです。
結論:いきなり全部辞めて独立しない。収入源を複数持つ
この恐怖を前にしたとき、私が大事だと思うのは一つです。
収入源を複数持つこと。
たとえば、下請けをしながら元請けの仕事もする。今の仕事を残しながら、チラシや紹介で一件取る練習をする。私の場合は、アフィリエイトを続けながら塗装事業も始めました。
「独立=今ある収入を全部捨てる」と考えると、怖さは一気に大きくなります。家族がいるなら、なおさらです。
私は、「いきなり辞めて独立する」を選択肢に入れていませんでした。負のスパイラルに入りやすいと思ったからです。
たとえば、独立したあとに3ヶ月仕事がなければ、生活のために借入が必要になるかもしれません。収入がないのに返済が始まる。心が追い詰められる。前向きに考えられない。判断が悪くなり、さらに悪い方へ進む。その可能性が高い。
だから必要なのは、家族を養えて、自分もある程度落ち着いていられる状態です。精神が安定していないと、集客も商談も続きません。
下請けは否定しません。むしろ、大事な収入源になり得ます。生活を守る柱として使いながら、自分でお客様から仕事を取る柱も、少しずつ太くしていく。それが、仕事がない状態を防ぐ現実的な始め方だと思います。
最初から元請けとして始める考え方は、別の記事でも書いています。
→ 塗装屋で独立するには?最初から元請けとして始める方法を職人が解説
私が生活費を守ったやり方
塗装を一人で始めるとき、私の生活防衛はシンプルでした。
貯蓄が中心です。アフィリエイトも、微々たる金額ですが収入は残っていました。人脈がなかったので、下請けも手伝いまわりもしませんでした。
ただ、ちょうどコロナ融資のタイミングがあり、いくらか借りました。ほとんど使ってはいません。それでも、「銀行口座にお金がある」という事実だけで、精神はかなり安定しました。
ここで誤解してほしくないのは、融資をすすめたいわけではない、ということです。借入は返済がつきます。必要なのか、返せるのか、慎重に判断すべきです。私にとっての意味は、「手元の余裕が、頭の余裕につながる」という一例でした。
仕事がない不安が強いとき、人は最悪の想像をしやすくなります。残高が少ないと、なおさらです。私自身、口座に30万円しか残っていない時期がありました。来月どうなるか、という感覚に近かった。
だからこそ、独立の形は「全部捨てて跳ぶ」ではなく、「守りを残して一歩出す」方がいい。貯蓄、別収入、下請け、家族の理解。使えるものは、使っていいと思います。
下請けを残しながら動く考え方は、こちらでも整理しています。
→ 下請けを辞めたいが仕事がなくなるのが怖い|塗装職人が選ぶ第三の道
仕事がない状態を防ぐために、やってよかったこと=集客の勉強
では、独立前から何をしておくと、仕事がない不安に強くなるのか。
私の場合、いちばん効いたのは集客の勉強です。
本をたくさん読みました。仕事中も、移動中も、イヤホンでオーディオブックを聴いていました。「集客できる人が一番強い」と前々から聞いていたので、塗装の技術だけでなく、集客や営業の勉強を常にやっていました。
読んだ本は多岐に渡りますが、神田昌典さんの著書、小坂裕司さんの著書、ランチェスター戦略の本、影響力の武器、営業の本などたくさんの本をオーディオブックで読みました。
そのおかげで、チラシの内容もある程度いい形にできました。見積もりを出したあとの対応も、「どうすればいいか」の感覚が残りました。道具を揃える前に、仕事の取り方の感覚を持っていた。それが、開始直後の助けになりました。
逆に、「あれをやっておけばもっと安心だった」という後悔は、今のところあまり見当たりません。上手くいった部分も、運も、タイミングもあります。ただ、集客の勉強をしていなかったら、同じようには動けなかっただろう、という感覚はあります。
人脈作りも悪くありません。ただ、人脈だけに寄ると、結局は下請けの仕事を増やす方向になりやすい。下請けを収入源として使うなら、それでも意味があります。一方で、仕事がない不安を根本から減らしたいなら、自分で集客して仕事を取れる力の方が残りやすい、と私は思っています。
最初の1件は早かった。でも「すぐ来る」は普通ではありません
私の最初の元請け工事は、新聞折込のチラシからでした。配った翌日に電話が鳴り、悩む暇がなくて助かりました。
ただ、これはラッキーな部類です。
もし1週間以上電話が鳴らなければ、相当焦っていたと思います。当時は口座残高も少なく、余裕がなかったからです。本当に助かりました。
経験上、チラシを配っても、すぐに問い合わせが来ることはほとんどありません。1ヶ月後、半年後、ということもあります。一件も来ないこともあります。
だから、「配ったのに鳴らない」は失敗の証明とは限りません。時間差がある。反応が出ない回もある。それを前提にしないと、精神が持ちません。
だから、次の二つは地味ですが効きます。
- 貯金など、しばらく耐える余白を持つ
- 下請けなど、別の収入源を残しておく
一件取れるまで、心が折れない状態を先に作る。それが、仕事がない独立を防ぐ土台になります。
一件の取り方そのものは、こちらにまとめています。
→ 一人親方が元請け仕事を取る最初の方法|塗装職人は何から始める?
→ 塗装チラシの作り方と失敗例|反応が出ない職人に足りない視点
「仕事がある一人親方」と、そうでない人の分かれ道
「仕事がない一人親方」と「仕事がある一人親方」の違いを、技術だけで説明することは難しいです。
下請けとして仕事が続く人には、共通点があると思います。愛想がいい。真面目。愛される。そういう人は、元請けが離しにくい。結果として、常に仕事がありやすい。
一方で、元請けとして仕事を作っていきたいなら、必要なものは少し違います。集客力。営業力。そして正しい思想。
ここで言う営業力は、営業マンのような華麗なトークではありません。お客様の質問に答えられること。不安を減らして、安心してもらえること。そこに尽きます。誠実さが、非常に大きいです。
正しい思想というのは、「どんな会社にしたいか」「お客様にどんな価値を提供するか」というゴールがはっきりしているか、です。
「金を稼ぎたい」「とりあえず独立して自由に働きたい」だけだと、続きにくいと思います。登山でいえば、「富士山の頂上に行く」が言えないまま歩き出すようなものです。ゴールがないと、しんどいときに踏ん張れません。
仕事がある状態は、運だけでは続きません。下請けで愛される力か、元請けで仕事を作る力か。どちらを育てるかを、独立前から意識しておくと、道がブレにくいです。
初心者が勘違いしやすいこと
一つ目は、不安が消えてから動こうとすることです。
不安は残りやすい、と先に書きました。消えるのを待たない。不安がある前提で、生活を守りながら小さく動く方が現実的です。
二つ目は、技術だけ磨けば仕事は来る、と思い込むことです。
技術は大事です。雑な仕事では続きません。でも、ほとんどの職人は技術を磨こうとします。一方で、集客の勉強まではしていない人が多い。同じ方向ばかり進むと、同じ場所で止まりやすい。
三つ目は、人脈さえあれば安心、と思いすぎることです。
人脈は助けになります。ただ、それが下請けの紹介だけだと、立場は相手次第のままです。収入源としては使えても、自分で一件作る筋肉にはなりにくい。両方あるのが理想です。
仕事がなくなるのが怖いなら、まずこれだけやってほしい
一つに絞るなら、集客の勉強です。
本を1冊読む。移動中にオーディオブックを聴く。それでいい。塗料の知識やローラーの持ち方ばかり練習して、仕事の取り方の勉強がゼロ、という状態だけは避けてほしい。
技術は現場で伸びます。一方、集客は意識して学ばないと、いつまでも「誰かが仕事をくれる」前提から出られません。
自分で集客して仕事を取れる力がつくと、見える景色が変わります。下請けを収入源として使いながらも、「自分でも取れる」という感覚が残る。それが、仕事がない恐怖へのいちばんの対抗策だと、私は思っています。
今日からできる小さな一歩
全部を変えなくていいです。今日できることは、小さくて構いません。
- 今の収入源を、紙に書き出す(会社の給料、下請け、貯蓄、その他)
- 「捨てない柱」と「新しく作る柱」を、一つずつ決める
- 集客の本を1冊買う、またはオーディオブックを1つ聴き始める
- 「元請け工事を1件取る」と目標を小さく書く
塗装屋で独立して仕事がない、という状態を防ぐ本質は、勇気を出すことだけではありません。収入を守りながら、一件取れる状態を先に作ることです。
怖くて当然です。慎重でいい。その慎重さを、「何もしない理由」ではなく、「守りながら動く理由」に変えてみてください。
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